皆さまこんにちは。
残暑真っ盛り!の毎日ですがいかがお過ごしでしょうか。
連日の日差しの強さと気温の高さには閉口しますが、
ふと見上げた空の色は本当に鮮やかです。
8月もあと十日。この空にいわし雲が浮かぶ日ももうすぐですね。
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6月から吉祥寺PukuPuku西公園前店・中道通り店は
定休日をなくしています。
水曜日もOPEN!
国分寺の古美術福重はこれまでと同じく月曜定休を頂きますが、
8月は全火曜日と22日水曜日を臨時休業いたします。
日々皆さまにお買い物を楽しんで頂けるようつとめております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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さて、今回は趣向を変え、
味わいのある器たちをご紹介したく思います。
どれも秋の訪れに華を添えてくれそうな器たちです。
瀬戸焼花と唐草文石皿
16,000円
(江戸幕末)
径約23cm・高さ約3cm
※完売しました
最初にご紹介するのは、
骨董、民芸好きの方にも根強い人気の石皿です。
石皿は「煮しめ皿」とも呼ばれ、
江戸時代から多くの人々に親しまれてきました。
日本民藝運動を興した柳宗悦も石皿を高く評価し、
雑誌『工藝』の創刊号(昭和6年1月)で真っ先に特集しています。
石皿は施釉のみで絵付けのないものが多いのですが、
こちらはのびのびとした絵付けも加わっています。
青の濃淡がはっきりとしたお花の絵付け。
青をのせる職人の、筆の穂先が見えてきそうです。
くるくると渦巻きが。
花唐草文のバリエーションでしょうか。
見込みと三方にやじろべえのような文様が。
「雁がね」、水鳥の飛んでいる姿とも言われます。
見込みに見える点は「目跡」といって、
焼く際に他の器にくっつかないよう、
小石などをのせてできたもの。
何枚か重ねて焼いていたんですね。
裏側です。
濃い色合いの素焼き部分にも味わいがあります。
素朴、の言葉が似合う色です。
お刺身を繊細にのせても、
肉料理を豪快に盛り付けてもしっくりきそうです。
一枚あると心強い器です。
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ここからは、東北で焼かれた明治前期の小皿を特集いたします。
会津本郷焼、切込焼、長沼焼など、幕末から明治前期にかけて
現在の福島県から宮城県で、いくつか隆盛した窯元がありました。
白磁ではありますが、伊万里とは異なる感覚による器は、
現代でも目をひきます。
土質も伊万里や瀬戸と違い、陶器に近いやわらかさがあります。
現在、会津本郷焼は陶器のみを作陶、
切込焼は明治維新時に廃絶、近年に再興されています。
長沼焼は昭和初期に廃絶してしまいました。
まだ研究も進められていないため、謎の部分も多く、
これからぜひ注目していきたい器たちです。
染付流水に葵の葉図小皿
五客組 7,500円
(明治前期)
径約9.5cm・高さ約2cm
※完売しました
さわやかな絵柄のものからご紹介しましょう。
ハート型のような葉っぱが可愛いです。
水面に葉が浮いた様子がほのぼのと。
見込みをめぐる細い二本の線が効いています。
裏側もすっきり。
東北の白磁らしい、くすんだ色合いがいいですね。
先ほどの石皿と同じく、目跡があります。
いっちんの白が染付を引き立てます。
……四ケ所の目跡と、いっちんの点が、
天の川に散らばる星を思い出しませんか?
ぺたん、と安定もよく。
外に反ったカーブも可愛いですね。
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染付龍図小皿
五客組 7,500円
(明治前期)
径約9.5cm・高さ約2cm
※完売しました
こちらのお皿は菊の花なのか、
愛嬌のある輪花の仕上がりです。
藍・青というよりは灰色に近い呉須。
存在感のある小皿です。
目跡は三ヶ所。
線描きで水龍の顔が右側に描かれています。
片眼がこぼれているような……。
なめらかな輪花は、よい手触りです。
裏側も。
高台は素焼きで、何だかビスケットみたい……。
チョコレートや珍味をのせてテーブルのアクセントに。
大きめの箸置きとして使っても面白そうです。
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白磁蛇の目小皿
六客組 6,500円
(明治前期)
径約10cm・高さ約1.5cm
(六客組のうち、1客に小キズ有り)
※完売しました
つやつやの白磁にくるりと回る蛇の目が面白い、
小皿の六客組です。
平たい筆とろくろで、さっと付けたのでしょうか。
この小皿に目跡はなく、重ねて焼いたわけではなさそうです。
とってもシンプルな裏側。
見込み蛇の目部分が素焼きになったものが
一枚だけあります(左)。
また、一枚に5mmほどのわずかなニュウが入っていました。
(黄色い5mmシールの左側)
器の雰囲気と調和してしまって、あまり目立たないのですが。
重ねてみました。
ちょっとパンケーキみたいです。
ナッツなどをのせて、一献のお供にいかがでしょう。
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左:陽刻に染付輪花小皿
右:陽刻に染付たこ唐草文小皿
500円
(明治前期)
左:径約9.5cm・高さ2.5cm
右:径約9cm・高さ2cm
※どちらも完売しました
この2点もおそらく東北の方で焼かれたもの。
陽刻の風合いが独特です。
上にご紹介してきたように、
裏側は簡素なつくりです。
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輪花のものから。
藍の深い色に魅力があります。
目跡は四ケ所。
よ~く見ると、たこ唐草が陽刻で入っているのがわかります。
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正円のものは藍の色が薄いぶん、
たこ唐草などの陽刻がはっきり出ています。
見込みはおなじみの松竹梅ですが、
松の葉や、梅の形がすこし変わっています。
ぽってりしたフォルムと、
陽刻の繊細な模様の組み合わせに見応えが。
2枚のペアで持っていたい小皿です。
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紙刷印判牡丹図向付
五客組 15,000円
(明治前期)
径約6cm・高さ約5.5cm
※完売しました
最後のご紹介は、藍色の牡丹が鮮やかな向付のセットです。
コバルトブルーの美しい紙刷印判は、
長沼焼(現在の福島県須賀川市近辺の窯元)が得意としたようですが、
この向付ももしかしたら……。
ころり、としたフォルムながら、
細身で持ちやすい大きさです。
白と藍が素朴に魅せる高台部分。
ガラス釉も綺麗にかかり、つややかな上がりです。
染付や線描きではできない、斬新な牡丹。
地の文様も独特です。
たて糸・横糸の織物のように見えませんか?
ふちどりは太い線と細い線の2本で簡素に。
先ほどの陽刻小皿と組み合わせてみました。
デミタスカップみたいにしても面白いです。
牡丹徳利(3,800円・明治前期・径約12cm/高さ約21cm)
※中道通り店でお取扱い中
と組み合わせてみました。
乳白のマッコリをいれて、
焼き肉パーティーに出してはいかがでしょう。
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以上、お品物のご紹介でした。
お品物のお問い合わせはお気軽にどうぞ。
0422-27-5345
吉祥寺PukuPuku西公園前店
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次回更新は8月24日を予定しております。
どうぞお楽しみに~。
アブラゼミの羽化
(スタッフ自宅玄関にて)
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