お知らせ


2012年4月27日金曜日

<新入荷>オールドノリタケ5寸深皿2種/深川製磁花瓶(戦前)/印判6寸皿・鉢/色絵八角皿(幕末)/ルリ釉に金彩鉢(江戸後期)



この時期(今週末頃には盛りを迎えるのではないでしょうか、私の故郷、岡山県は倉敷市のお隣、総社市備中国分寺周辺で、「吉備路れんげまつり」が毎年開かれ、子どもの頃、家族とよく遊びに行ったことを思い出します


 田舎育ちの私の、春半ばの原風景は、シロツメクサで冠を作ったり、四つ葉のクローバーを探したりと、五感で春を満喫していたように思います。



このように一面に咲く風景が紫の雲がたなびくように見えることから、れんげには紫雲英(げんげ)という趣ある呼び名もあることを知ったのは、ずっと後のことでしたが、かつては窒素の豊富な天然緑肥として、田んぼに植えられ、土と一緒に梳きこんで、肥料にされていたれんげも、化学肥料の普及とともに少なくなりました。


…青葉若葉が目にしみる、すがすがしい季節となりました。

皆様、ぜひ、吉祥寺PukuPuku西公園前店、中道通り店、そして少し足を延ばされて、国分寺の本店、古美術福重へ、お出かけくださいませ。


ゴールデンウィークも間近に迫ってまいりましたが、5月2日(水)は吉祥寺PukuPuku西公園前店、中道通り店ともに営業いたします。
(※古美術福重は臨時休業)


各店舗ともに、ブログでは紹介しきれない、新入荷のお品物が日々続々、入荷しております、お楽しみに!!



それでは本日も選りすぐりの新入荷のお品物をご紹介してまいります!!


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 本日最初にご紹介の品物は、オールドノリタケの5寸深皿2種でございます。

オールドノリタケ(英語圏での一般的な表記は“EARLY NORITAKE”)とは、その年代を特定出来かねるものの、およそ1800年代末頃から第二次世界大戦前後頃まで、現ノリタケカンパニーの前身である、森村組と日本陶器で作られ、主にアメリカへ輸出された装飾品(花瓶、壷、陶製人形、置物など)とテーブルウェア・ディナーウェアの総称です。


 オールドノリタケ渦巻き図5寸深皿
5Pセット(うち1客小キズ有り) 6,500円
(昭和戦前)
径約13,5㎝・高さ約3
※完売しました



オールドノリタケは工業的に優れた技術、その完成度の高さ、鮮やかな色彩の配列、伝統的な感性などが融合した芸術作品として、大変人気の高いコレクターズアイテムです。

オールドノリタケは大きく2つの様式に分類され、1つは1885年(明治18年)頃から、1935年(昭和10年)頃まで、主にアメリカに輸出された、日本的なデザインの商品を含む、アールヌーボーを中心とした西洋画風のグループ、もう一方は、大正末期頃から昭和初期頃の短い間に流行した、アールデコのグループです。

和洋問わず、毎日の食卓で幅広く活躍しそうな深皿です。

シンプルな5寸深皿の形状にアールデコ様式を想わせる黄色と茶色の渦巻き文様が面白い効果を生んでいます。


瓢箪に日陶製の裏印は、1932年(昭和7年)以降、国内向けに生産された、戦前のノリタケの和食器に使用されました



工業的な完成度の高さがうかがえる5寸深皿の中で、シンプルな渦巻き文様がその色使いといい、絶妙なパランスで配置され斬新な趣ですが、昭和初期のモダニズムの影響もあるのでしょうか。


残念ながら、5客セットのうち1客に、5ミリ程度のニュウ(胎土にまで入ったヒビ)が2ケ所見られます。

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オールドノリタケ松図5寸深皿
1客 1,500円
(昭和戦前)
径約13,5㎝・高さ約3
※完売しました



こちらの裏印から、1912年(明治44年)~1940年(昭和15年)、国内向けに生産された製品であることがわかります。

先のお品物同様、日本人好みの清楚な雰囲気があります。


シャープな造形とともに、青い色調で影絵のように、幾層ものシルエットで表現された松が美しいです。


…食器製造技術から、様々な技術や素材が派生し、現代のセラミック産業に発展したノリタケカンパニーリミテド

TOTO、日本ガイシ、ノリタケ伊勢電子、日本特殊陶業、大倉陶園などはすべて日本陶器(現在のノリタケカンパニーリミテド)から独立した企業で、創始者の名を冠して『森村グループ』と呼ばれ、世界最大のセラミックス集団を形成しています。

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続いてのご紹介は昭和戦前の深川製磁による花瓶で、
木箱に入って出てまいりました。



春光うららかな吉祥寺PukuPuku西公園前店エントランス付近にはガラス製、または磁器のアンティークの花瓶のご用意もございます。


有田における磁器生産の中心的存在といえば、「香蘭社ですが、当地の有田焼(伊万里焼)の技術を活かし、磁器製絶縁ガイシをわが国で初めて製造した、深川栄左ヱ門(8代目)らにより、1879年(明治12年)に設立されたのがその始まりで、その後、1900年のパリ万博で栄左ヱ門の二男、深川忠次の作品が金賞を受賞、1894年(明治27年)には忠次によって「深川製磁設立され深川ブルー』はその歴史の中で、多くの人々を魅了してきました



 深川製磁 花瓶 共箱付き
(昭和戦前
 
奥側:6,500円(大)
口径約8㎝・高さ約21㎝
※完売しました 
手前:5,500円(小)
口径約5㎝・高さ約15㎝
※完売しました



深川製磁 花瓶(大)

肌のなめらさは釉薬の仕上げが卓越しているためであり、多品種少量生産ならではの、ものづくりへの高い意識を感じさせる花瓶です

富士流水の裏印。
木箱に入って出てまいりました。

[箱の蓋]


箱の右上には「美術有田焼の記載が。


宮内」だから戦前ですね。

深川製磁は明治43年以来今日まで、93年におよび宮内御用達を拝命しており、こちらに記載された「宮内御用達」の文字からは、宮内省→宮内府→宮内庁と変遷した歴史も感じます。

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深川製磁 花瓶(小


「華の人 有田に生きた薔薇の貴婦人 敏子の物語」(伊藤緋紗子著・小学館)には、深川製磁2代目、深川進(1898~1962)と結婚し、生き方や製品など、様々な分野で、有田に大正モダニズムの自由な空気を吹き込んで、現代にも繋がる下地をつくり、31歳で夭逝した敏子の生涯がノンフィクション仕立てで描かれております。

著書には、初めて有田駅に降り立った敏子が、胸の大きく開いたワンピースに、手にはバイオリン、帽子には真っ赤なバラといった洋装で、「まるで天使のようだった」と今でも語り継がれるほど、というエピソードがあり、印象に残りました

富士流水の裏印。
こちらも木箱付きです。


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続いて、全く雰囲気の異なる印判の皿と鉢をご紹介いたします。



図変わりの銅印判6寸皿が入荷しました!

華々しく、手の込んだ絵柄に注目です。



銅印判日英同盟記念図6寸皿
1客 2,500円
(明治後期~大正)
径約20,5㎝・高さ約3,5
※完売しました 

日清・日露戦争と続く中、富国強兵、国威発揚を促す愛国的な図柄は、まさにこの戦勝の時代であり、歴史が色濃く残る貴重な資料として、今人気の印判です!


日英同盟は日本とイギリスとの間の軍事同盟であり、1902年(明治35年)調印発効から1923年(大正12年)の失効まで、第一次、第二次(1905年)、第三次(1911年)と継続更新され、第一次世界大戦までの間、わが国の外交政策の基盤となりました。



条約締結から2年後の1904年(明治37年)には日露戦争が勃発、その後、1912年に大正と改元されます。

裏柄には意匠化された桜が。
在庫薄のため、お早めにどうぞ!

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明治前期のベロ藍の色が鮮やかな鉢が入荷しました!



紙刷印判ゾウ図うどん鉢
1客 2,800円
(明治前期)
径約16,5㎝・高さ約5,5
※完売しました

深さがあるので、そばやうどん、丼ぶりもの、シチューなどの煮込みものなど、とにかく幅広く応用のきく便利な鉢です!

高台もしっかり。安定感があります。
獅子と思いきや、猛々しいゾウの絵柄です!

ゾウの絵柄の線の部分は紙刷印判で、あとは手描きで彩色しています。
藍の縁取りもくっきり。
裏柄も華やかです。

在庫薄のため、お早めにどうぞ!

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本日最後に、江戸時代の豪奢な上手ものを2種、ご紹介します。



吉祥寺PukuPuku西公園前店内奥で光り輝く、幕末伊万里の色絵八角皿、
ぜひ店頭でご覧くださいませ。



色絵ユリ図透かし八角皿
38,000円
(江戸幕末)
径約25㎝・高さ約7
※完売しました

職人の技が見事な逸品です。



見込みには環状に配置されたユリの絵柄が珍しく、その他の要素も一切の乱れなく、大変丁寧に描き込まれています。


八角形の縁は梅花と竹の葉の文様が透かしになっており、それぞれその周囲余白を小さな松文様で埋め尽くすという凝り様に脱帽です。

神秘的な華やかさがあります。
控えめで上品な色使いの中に、しっかりと主張があります。

こちらの高台のつくりは手間を惜しまず、凝っており、存在感がより際立ちます。


裏柄は可憐な印象で、松竹梅に鳥が配され、ストーリーさえ感じます。

心に響く精神性を秘めた世界観は、時代を超えて、新鮮な気持ちにしてくれる、

―そんな逸品ではないでしょうか。

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瑠璃釉に金彩鶴亀図鉢
12,000円
(江戸後期)
径約17㎝・高さ約8,5
※完売しました


瑠璃釉に金彩を施した華やかな古伊万里の鉢です。


こちらのような大きさ深さ、そして奥深い瑠璃色には、銀州を敷いて大胆に赤身の刺身を盛り付けてみてはいかがでしょうか。

色鮮やかに調和し、食卓がボリュームアップします。



見込みにはユーモラスに描かれた亀。
縁には鶴と、雲間に松竹梅です。


側面にも表情豊かに、鶴亀と松竹梅の描き込みが見られます。


深い瑠璃色に金がよく映え、きれいですね。


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以上、お品物のご紹介でした。

いつもブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。

次の更新は5月1日(火)となります。

今後も話題豊富に新入荷のお品物をいち早くご紹介してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


お問い合わせはお気軽にどうぞ。

吉祥寺PukuPuku西公園前店
[※5月2日(水)は中道通り店ともに営業]
0422-27-5345

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