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2012年6月12日火曜日

<特集>龍図の器たち、染付鉢二点(江戸後期)、染付八寸皿(江戸中期)など


いつも吉祥寺PukuPukuのブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。

一週間前掲載した西公園のガクアジサイですが、今朝見たら白から青へと色が変化していました。「土が酸性だと青、アルカリ性だと赤」と一般的に言われます。西公園の土は酸性?なめると酸っぱいのでしょうか……。
 
今月から定休日の無くなりました吉祥寺PukuPukuです。雨の日は器がお客さまにじっくり見ていただけるようで、なんだか幸せそう……。今回のブログでは、父の日の贈り物をお探しの方にもおすすめの器をご紹介いたします。
還暦をむかえられたお父さまもいらっしゃるのでは?辰年生まれの方に、また、お家で一番強い人(?)へのプレゼントにぴったりな龍の絵柄の器をご紹介します。

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染付龍と宝珠文輪花鉢
29,000円
(江戸後期 文化・文政期)
径約22.5cm・高さ11cm
※完売しました
まずはダミの濃淡の使い分けが美しい、大ぶりの鉢をご紹介します。

思わずうなってしまうあざやかさ。
薄手で、ふちの輪花のかたちもきれいに出ています。


こちらをにらんでいるのは……龍です。
正面を向いた龍はちょっと珍しいかもしれません。


栗の実が雷に撃たれている!
わけではなく、画面中央の白いものは「宝珠(ほうじゅ)」。

宝物のひとつで、縁起物としてよく描かれます。雷のような白い部分は火焔の表現で、「霊力を持った珠である」ことを意味します。
ふちぎわに薄めの青で描かれる、もくもくとした雲もいいですね。


見込みのなかに描かれているのは雲でしょうか。
そのまわりも雲がまたもくもくと囲みます。


裏の絵付けはあっさりしています。
つるり、とした良い肌です。

この写真ではやや筒状に見えますが……


実際は口が広がり、本当にお花のようです。
お料理を盛っても、そのまま置いておいても素敵なお品物です。

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染付山水図八角鉢
13,000円
(江戸後期 天明・寛政期)
径約18.5cm・高さ11cm
※完売しました

先ほどの輪花鉢よりもやや古いもの。
なかなか渋い一品です。


この器のどこに龍が?と思われた方、画面下にご注目下さい。


小さいながら、ちゃんと龍がいるんですよ!
宝珠も描かれていますね。


藍の線、四方襷(よもだすき)、白の線、雲、
と幾重にも重なったふちどりが丁寧です。


見込みの山水図には旗と幟(のぼり)が描き込まれています。
あのお家のなかには誰か偉い人がいるのでしょうか……?


トンポーローなど煮込み料理などがぐっと引き立ちます。
飽きのこない、ずっと長く使える器です。

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染付龍図八寸皿
12,000円
(江戸中期)
径約25cm・高さ4cm
※完売しました

今度は龍のお顔がわかりやすいものを。
余白とのバランスが良い八寸皿です。


裏側、高台の処理もなかなかです。


「おそれおおくも龍顔(りゅうがん)を拝し・・・」
なんて台詞を時代劇などで耳にしませんでしたか?

「皇帝や天皇などの非常に位の高い人を見た」という意味です。この方々と最高位の霊獣である龍は結びつけて考えられ、龍顔=帝王の顔、龍影=帝王の姿、などの言葉があります。

ただ、この龍は結構親しみやすそう……。


こちらは尾の部分でしょうか。雲が引っかかっていますね。


シンプルですが、さすがに飾ると迫力があります。


特別な席で、お刺身やお寿司をのせて贅沢な気分になれそうです。

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紙刷印判たこ唐草文なます皿
1,500円
(明治前期)
径約15cm・高さ4cm
※完売しました

ふだんづかいにおすすめの、なます皿をご紹介します。


取り分け皿やケーキ皿に、何かと重宝なお皿です。
ちなみにこのお皿のどこに龍がいるかといいますと、


裏側にさっと描かれていました!
スピードを感じさせます。


人気のたこ唐草文。紙刷印判ならではの風合いがいいですね。


見込みは松竹梅です。
そのまわりを打ち出の小槌、宝巾着、巻物、丁子などの宝物の文様「宝尽くし文」が囲みます。


先ほどご紹介した「宝珠」も宝のひとつとして描かれています。
これにも火焔の表現が。


ふちにもしっかりベロ藍が施されています。
お料理映えがしそうですね。

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染付に金彩 龍図蓋付碗
1,500円
(江戸幕末)
身径約10.5cm・高さ9.5cm
蓋径約9cm・高さ3cm
※完売しました

こちらは、龍らしさが伝わる絵付けのお碗です。


金彩により龍の輪郭と雷が描き込まれています。
左側の四角ばった渦巻きが雷です。


内側にも、この雷がつながった「雷文」が。
古代中国より用いられた、非常に古い文様のひとつです。
ふちどりの金彩も、綺麗に残っていますね。


このお碗、面によって印象が大分変ります。


龍のお腹が見える胴の部分です。藍が強い!


白が際立つ面も。
しっかり尾も描かれています。


雷雲でしょうか。
「ごろごろごろ……」と音が聞こえてきそうです。 


龍の爪が。三本爪ですね。

中国では五本爪の龍は皇帝の龍、四本爪は貴族の、三本爪は士族の龍、と位が決められていたようです。ただ、日本ではそれほどの意味はなく、多く三本爪で描かれます。


実際に手にとってご覧頂きたいお品物です。

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染付龍図そば猪口
5,500円
(江戸幕末)
径約7.5cm・高さ6cm

最後に人気のそば猪口を。
幕末らしい、線描きの面白さが伝わってきます。


こちらも三本爪の龍。
前になびくお髭に愛嬌があります。


見込みに描かれているのは雲でしょうか。


手に持つとこんな感じです。
硬質な肌触り。口当たりも良く、素敵なぐい飲みになりそう。

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龍の絵柄のものだけでもこんなにあるとは。
昔の人たちの想いが伝わってきます。
どの龍が一番、気に入りましたか?

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以上、お品物のご紹介でした。
気になるものがありましたら、お気軽にお問合せ下さいませ。
吉祥寺PukuPuku西公園前店
0422-27-5345
次回の更新は6月15日の金曜日です。
どうぞお楽しみに!

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