お知らせ


2012年5月25日金曜日

<新入荷>色絵小鉢・なます皿(以上、明治前期)/印判5寸皿・金彩小皿・色絵盃洗・小鉢(以上、明治後期~大正、戦前)



皆様、こんばんは。

いつも当店のブログをご覧くださいまして、誠にありがとうございます。

この時期は、夏の匂いをふくんださわやかな風を感じながら、武蔵野市の街路にあふれる色とりどりの花々を楽しみながら通勤しておりますが、


モッコウバラの八重咲の黄色い花が見事なこちらのお宅の前では思わずいつも足を止めていました。

次々に咲くバラの甘い香りが鼻をくすぐるこの頃ですが、バラは春を過ぎても長く咲くことから、江戸時代には「長春花という呼び名が一般的で、「長い春」から連想する平和、幸福を象徴するとして、日光東照宮の彫刻に多く刻まれたのは中国から渡来した長咲きの華やかなバラで、平安時代には薔薇(そうび)として歌に詠まれております。


バラは江戸時代初期に、仙台藩の慶長遣欧使節副使・支倉常長が西洋から持ち帰り、その後、身分を問わず、園芸花卉のひとつとして、「コウシンバラ」「モッコウバラ」などが好まれ、栽培されたようで、1690年(元禄3年)~1730年(享保15年)の盛期鍋島の文様として採用されたものもあります。


さらに「花の女王」として愛好されるようになるのは明治以降であり、大正時代に着物の流行色となった「長春色」は、英国のオールドローズを想わせるピンクで、飽きのこない深みがあり、現在でも江戸小紋によく使われていて、素敵な色目ですよね。

…バラが香り、木の葉隠れて鳥たちがさえずり、下草がびっしりと緑のじゅうたんを敷き詰める万緑の季節に、新入荷のお品物続々入荷中の3店舗に、皆様ぜひお出かけくださいますよう、スタッフ一同、心よりお待ちいたしております。


尚、誠に勝手ながら、本店国分寺の古美術福重は月曜定休に加えて、今月に限り、全火曜日を臨時休業いたします。何卒よろしくお願いいたします。

☆今週末の日曜日、国分寺本店では店主が皆様をお待ちしております!


それでは本日も新入荷のお品物のご紹介です。

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本日最初に、ハイカラモダンな印判5寸皿ご紹介します。




華々しく、手の込んだ絵柄に注目です!



銅判転写染付日の丸と旭日旗の市松文5寸皿
5Pセット 9,000円
(明治後期~大正)
径約15,5㎝・高さ約3
※完売しました


日章(日の丸)旗が事実上の日本の国旗(御国総標)となったのは1859年(安政6年)のことであり、そのほぼ同時期、建軍まもない当時の帝国陸軍において、日章位置が日章旗と同じく中央に位置し、さらに16条の光線を放つ図案を意匠とする旗(十六条旭日旗)が日本史上初めて定型的に採用されました。


日の丸と旭日旗の市松文のコントラストがモダンな印象です。


日章、旭日の意匠自体は比較的古くから日本に膾炙しており、家紋やハレの祝事などで用いられておりましたが、あくまで「旭日」として日本史上において公式に採用、規定されたのは帝国陸軍の軍旗が初めてで、これは日章旗が当初は船印(=軍艦旗)として採用されたことから、それとは別に陸軍の新たな象徴たる軍旗が必要とされたことに因ります。


その陸軍に遅れること19年後の1889年(明治22年)、勅令により従来の日章旗から変更されるかたちで、海軍は陸軍の軍旗とは異なり、日章位置が旗竿側に寄る意匠とした16条旭日旗を「軍艦旗」として制定しました。

その後、第二次世界大戦の敗退に伴い、陸軍ともに解体され、軍旗としての旭日旗の歴史がいったん途切れるも、1954年(昭和29年)に発足した陸上自衛隊では陸軍時代の軍旗を元に考案された8条旭日旗の「自衛隊旗」が、同じく1954年発足の海上自衛隊では海軍時代の軍艦旗と同じ意匠の「自衛艦旗」が採用され、旭日旗の使用が復活します。


但し、ひとくちに旭日旗といっても、陸海軍其々で光条数等多様なバリエーションで階級序列を示しており、こちらに見られる旭日旗は海軍の大将旗です。


見込みに描かれた桜と錨は海軍の象徴。


日清・日露戦争と続く中、富国強兵、国威発揚を促す愛国的な図柄は、まさにこの戦勝の時代であり、歴史が色濃く残る貴重な資料としても、今、人気のこちらの印判をぜひお手元にどうぞ。

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お次は、華やかな色絵のお品物満載の吉祥寺PukuPuku西公園前店から、


色絵のお品物を5種(明治前期2種・大正1種・大正~昭和戦前2続けてご紹介します。


色絵八角小鉢
1客 2,500円
(明治前期)
長径約12,5㎝・高さ約5
※完売しました

上品かつモダンな印象の色絵小鉢です。


八角形の形状と見込みに残された白地にまず目を引かれます。



見込みには洋食器を想わせる、金彩と色絵で花をあしらった十文字。




縁文様には四方襷に亀甲、桐と唐草、赤地に独特の羊歯状の唐草を表現した文様が八面に丁寧に描かれ、落ち着いた華やさを感じます。



裏柄には星座と雲でしょうか、ほのぼのと優しいタッチで描かれております。

こちらの深小鉢は、大きさも深さも、使い方自在であり、
さらに食卓のアクセントになりそうです。

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色絵三方窓絵に鳳凰図なます皿
1客 2,800円
(明治前期)
径約15㎝・高さ約4,5
※完売しました
形、絵柄、色合いともに丁寧につくられた上手ものです。


見込みには環状に文様化されたボタンですが、華やかな色を使っていても、
染付の藍がどっしりと主張をしています。


縁文様の三方窓絵内にはこちら、正面を向いた鳳凰がユーモラスな趣です。
格調高いモチーフのはずの鳳凰がまるで雀のように愛らしい表情です。


その周囲を亀甲と花文でしょうか、精緻な色絵で隙間なく埋め尽くしています。


薄作りに仕上げられた形状には鎬が入り、細かな輪花と凝っております。



裏柄の唐草も丁寧に描き込まれた上手ものです。

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金彩丸文6ケ図小皿
1客 800円
(大正)
径約11,5㎝・高さ約2,5
※完売しました


モダンな雰囲気の洒落た小皿です。


小皿はこちらのような遊び心のあるものをぜひどうぞ。




色使い優しく、和みます。





6ケの丸文にはそれぞれ金彩により、鳥や植物、幾何学文をモチーフにした絵柄が細やかに描かれており、すっきりと華やかな印象です。

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色絵紅葉に鹿図小鉢
1客 1,300円
(大正~昭和戦前)
径約13㎝・高さ約6
※完売しました


形が美しく、しっとりとした品の良い小ぶりな鉢です。




三方に配された文様は鹿に紅葉と古銭をモチーフにした文様でしょうか。
のびやかに描かれ、色使いがまた可愛らしいです。


汁気のある煮物やサラダ、ミニ丼ぶりに、
何でもお任せの大変便利なサイズ感で、普段使いに大活躍してくれそうです。

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色絵格子文盃洗
1客 6,500円
(大正~昭和戦前)
径約12,5㎝・高さ約8,5
※完売しました

本日最後のご紹介となるのはそのフォルムと格子文が、
なんとも愛らしい盃洗です。


何気なく引かれた線の歪みが心の緊張を解きほぐしてくれます。
鮮やかな赤、青、緑が絶妙なグッドバランスで本体の白色と調和しており、食べ物を盛り付けても、花を活けても、この3色なら、うまく素材と合わせ易そうです。


程よい重みと、独特の丸みのあるフォルムも大変愛らしく、現代人の疲れた心を優しく癒してくれそうです。

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以上、本日のお品物のご紹介でした。
いつもブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。
次の更新は5月29日(火)となります。
今後も話題豊富に新入荷のお品物をいち早くご紹介してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。


お問い合わせはお気軽にどうぞ。
吉祥寺PukuPuku西公園前店
0422-27-5345

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