お知らせ


2012年5月11日金曜日

<新入荷>江戸、幕末伊万里の染付鉢2種/長角皿/尺皿/蓋茶碗(セット)・色絵蓋茶碗/湯呑み


皆様、こんばんは。

いつも当店のブログをご覧くださいまして、誠にありがとうございます。

近頃は花より青葉、若葉の美しさに目がいくようになり、夏の始まりを感じます。


(カットガラス鉢・大正~昭和戦前・8,500円)


 (氷コップ・戦前・2,500円※完売しました


 (ガラス蓋物・戦前・3,800円)

ただ今、吉祥寺PukuPuku西公園前店・中道通り店・本店国分寺の古美術福重には初夏の薫りを感じられる、目にも涼しげな選りすぐりのガラスのお品物が充実しております


中道通り店
(氷コップやカットガラスコップ、小びんなど・戦前・300円から)

…一年でもっとも爽やかな季節に、新入荷のお品物続々入荷中の3店舗に、皆様ぜひお出かけくださいますよう、スタッフ一同、心よりお待ちいたしております。


尚、誠に勝手ながら、本店国分寺の古美術福重は月曜定休に加えて、今月に限り、全火曜日を臨時休業いたします。何卒よろしくお願いいたします。

それでは本日も新入荷のお品物のご紹介です。


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本日最初に大きさも形状も雰囲気も全く異なる、江戸、幕末伊万里の秀逸な描き込みの染付鉢を2種、ご紹介します。


染付三方に鳳凰図鉢
24,000円
(江戸幕末)
径約24㎝・高さ約9,5
※完売しました


三方に配置よく、強いタッチで奔放に描かれた鳳凰が印象的です。


祭器のような器物の文様には想像力をかきたてられます。


格調高いモチーフをほのぼのと仕上げています。


裏柄も主張が感じられ、揺らぎない存在感があります。


高台内に銘、


躍動感あふれる寿文と、描き崩したような櫛高台が大胆に描かれ、



やや厚く取られた口縁部には鳳凰の羽が勢いよく飛び出しています。


羽の質感まで伝わってくるかのようです。

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染付菖蒲と富士図小鉢
8,500円
(江戸幕末)
径約12㎝・高さ約5
※完売しました


打って変わって、こちらは小ぶりなサイズ感も愛らしい染付小鉢です。

裏柄も線描きの魅力たっぷりの可愛らしい表情です。


小ぶりながら、重厚でしっかりとした作りとなっており、淡い藍の色合いと繊細で優しい絵付けがしっくりと手に馴染みます。



程よく深さがあり、使いやすそうです。


今の季節に相応しい菖蒲と、


縁起のいい富士と松が洒落ています。



線描きによる藍の花文様が変化をつくりながら、空間をバランス良く埋めるという、遊び心のあるデザインです。

長く使えば使うほど、心にも馴染みそうです。

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続いて、幕末伊万里の華やかな色絵のお品物を2種ご紹介します。


色絵三方に桐と見込み麒麟図蓋茶碗
1客 2,800円
(江戸幕末)
径約11,5㎝・高さ約8
※完売しました


大変丁寧な絵付けの上手ものです。



蓋を開けると麒麟が飛び出します。




丁寧な絵付けもさることながら、花弁文様の色使いが何とも上品です。

合間に描かれた桐の絵柄が絶妙なアクセントになっています。


蓋の高台内にのみ、銘があります。



蓋と身で花弁文様の3色を互い違いに合わせて、組み合わせの妙をお楽しみください。


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色絵ボタンと紅葉図湯呑み
1客 2,500円
(江戸幕末)
径約9㎝・高さ約5,5
※完売しました


下がふくらんだ形状、色合い、絵柄、愛らしさ満点の湯呑みです。


巧みな構図で、桜文様の幕の下には、花器に活けられたボタン、窓絵に紅葉と、白地をうまく生かし、乙女心をくすぐります。


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続いてご紹介するのは、佐賀県有田町の南西部、磁器の原料の採石地である泉山を中心とする内山地区の西側に位置する外山地区の窯場のひとつである、南川原地区でおよそ17世紀後半に単発の操業期間を持った樋口窯による染付長角皿です。

南川原地区は寛永14年(1637年)の有田・伊万里の窯場の整理・統合以前には、染付磁器が創始された有田の窯場の中心であり、有田の中で比較的上質な製品を生産した地域でありました。

18世紀前半の有田の窯業の動向を探るためには、きわめて重要な窯場といえます。


染付山水と二方に花図長角皿
14,000円
(江戸幕末)
縦横約25×29,5㎝・高さ約5
※完売しました

皿の周囲の一定幅の縁が印象的な形状の染付長角皿です。


いろいろな技法を駆使した職人の技が見事な上手ものです。




上下二方、窓絵内には藍の濃淡美しく山水図が描かれ、


四隅では蝶が優雅に舞います。



左右に大胆に描かれたこちらの花はボタンがモチーフでしょうか。




程よく白地を残し、隙間なく巧みな筆が入った、大変繊細な一枚です。




高台内に「南川原樋口造」、



裏柄には4ケ所、線描きによる、花をあしらった唐草文といった趣です。


職人がその絵付けに打ち込んだ様子が時を超えて今、伝わってくる逸品ではないでしょうか。


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続いてご紹介するのは、絵付けが細部にまで丁寧になされた、幕末伊万里の蓋茶碗です。


染付菊と人物図蓋茶碗
5Pセット 12,000円
(江戸幕末)
径約11,5㎝・高さ約9
※完売しました

薄作りで、丁寧な絵付けの上手ものです。


身の高台内にのみ、銘があります。


長い杖を肩にかけた人物の前方には鶴が一羽、


人物は従者を連れ、


柳の木曇天模様は従者の心境か、


そして可憐な菊花。

生地の薄さ、色、藍の透明感も見事な、詩情あふれる上手ものです。



蓋を開けると、静かに美しく佇む白鷺も描写的なタッチです。

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本日最後にご紹介の品物は伊万里というジャンルの中で、そのバラエティーに富んだ絵柄の楽しさで人気の、江戸時代は後期の作品群、志田窯による染付大皿です。

志田窯のユニークな作風に人気が出て、なかなか入手できなくなっている昨今、この機会をお見逃しなきよう、おすすめいたします。


染付縁側に柳図尺皿
7,500円
(江戸幕末・志田窯)
径約28,5㎝・高さ約5
※完売しました



不思議な遠近感のある面白い構図には、屋敷の住人の目線で、邸宅の様子が描かれております


開け放たれた障子からは清々しい空気を感じます。


屋敷内の大木の柳の木が、誇らしげにその葉を揺らしています。


藍の濃淡も味わい深いです。



こちらの呉須の垂れ1ケ所から、この一枚を絵付けした幕末の職人に親近感がわきます。



表に呉須を多用した分、裏面は無地。
これも志田焼の特徴で、コスト低減策のひとつです。

目を立てて焼いた跡が見られます。

志田窯の伊万里は、江戸後期から幕末期にかけて存在した伊万里の34基の窯のうち、5基がそれにあたり、窯も大きかったので、当時伊万里焼として生産されていたもののおよそ20%を占めていたとも推算されるようです。



縁周辺は波型の形状を示し、やや端反った造りとなっております。


また志田焼の“お約束”である「エンゴベー(白化粧土)」の痕跡が見られます。


『エンゴベー』とは陶肌をより美しく見せるため、表面のみに掛けられた白釉のことです。


元々使用していた陶石は鉄分を含み、それが表面に出てしまうと、赤褐色の斑となってしまうので、それを隠すためのもののようです。


分かりにくいですが、写真のように器を裏返すと、その境界に釉が線状に観察できます。
こうした特徴は志田窯の製品のみに見られるもので、他の伊万里の窯の製品と区別して扱わなければいけない大きな理由でもあります。


インテリアとしても、楽しい一枚です。

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以上、本日のお品物のご紹介でした。

いつもブログをご覧くださいまして、ありがとうございます。

次の更新は5月15日(火)となります。

今後も話題豊富に新入荷のお品物をいち早くご紹介してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。


しんのすけくん(9才)


お問い合わせはお気軽にどうぞ。

吉祥寺PukuPuku西公園前店
0422-27-5345

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