お知らせ


2011年10月21日金曜日

<新入荷>図変わり印判(虎図・古銭図)・染付馬図六寸皿五客組・蓋付き碗各種(紙刷印判・染付・色絵)


皆さまこんにちは。気温もすっかり下がり、秋物のコート姿の方も見かけるようになりました。温かいものが美味しくなってきましたね。
西公園のすすきも、ふさふさとした穂をつけて暖かそうです。
目白の鬼子母神のお土産はすすきでつくったみみずくでしたが……ほかにもうさぎやキツネもつくれそうな気がしてきます。ちなみにすすきみみずくの由来は、その昔、お母さんが病気になった女の子が、薬代に苦心していたところ、鬼子母神のお告げをうけて作り出したものだとか。すすきみみずくは飛ぶように売れ、お母さんは全快したそうです。昔の人の知恵と暖かさが伝わってくるエピソードですね。

さて、今回も新しく入荷したお品物をご紹介いたします。珍しい絵柄の印判皿がまたやってきました!
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・右 銅印判 虎図五寸皿 1,500円
(明治後期~大正) 径約15.5cm・高さ約2.5cm
・左 銅印判 古銭図小皿 500円
(明治後期~大正) 径約12.5cm・高さ約2.5cm


ちょっと面白い絵柄の印判小皿を。
仕事柄、長年多くの印判皿を見てきたオーナー曰く「見たことのないパターンの図柄かも」だそうで……。
珍しい絵柄の印判皿かもしれません。


ひっくり返すとこんな感じです。
古銭柄は無地、虎図のほうは桐と鳳凰がいます。


まずは虎をクローズアップしてみます。
虎に竹と、日本画によくある題材、「竹林猛虎図」がモチーフですね。



「ガーッ」とうなり声が聞こえてきそうな虎。


竹の切り口も銅印判らしい細かい描写です。竹のみずみずしさが伝わります。


外側の鳳凰と桐。鳳凰は竹の実を食べることからの連想?
薄めの青とあいまって、上品な印象です。


虎を囲む竹の構成も、デザイン性を感じさせます。
寅年、タイガースファンの方にプレゼントしても良いのでは?

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こちらは古銭柄。古銭として「寛永通宝」は有名ですが、描かれているのは「文久永寳(宝)」。
この古銭は幕末の文久三年(1863)から慶応三年(1867)までのたった4年間にしか鋳造されなかった通貨です。



古銭の裏側の波の図柄部分と、「文銭」という意味でしょうか?
この文久永宝、1個で4文の価値がありました。


通貨として出回ってから、半世紀近く経ってから絵柄になったわけですが……。当時の人たちも、古き良き江戸の頃に想いをはせたのかもしれませんね。

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・染付 馬図六寸皿 五客組 13,000円 ※四客甘手
(江戸中期) 径約18.5cm・高さ約2.5cm
※完売しました


さて、お次は江戸期の器のご紹介です。
なんとも味のある、馬の絵柄の六寸皿。



松と雲に囲まれた、2頭の馬が描かれています。
正円のように見えますが、よく見ると輪花のように縁が入れ込んであります。

 
裏側には唐草文。江戸中期らしい筆遣いです。


時代劇などで武将が立派な馬にまたがり、合戦を繰り広げていますが、長野の木曽馬などを代表とする日本の在来馬は体高約130cmと小柄でした。英語表記だとponny(=ポニー)としていますね。
速さはあったのですが、体力はあまりなく何頭も乗りつぶしていたようです。史実とフィクションの違いがここにも。

天に向かってやや立ちあがったところでしょうか。線であらわされた脚に躍動感があります。


最初「麒麟?」と思ってしまいましたが、ぶち模様のお馬さんです。ぶち毛の馬は中世日本でも珍重されたそうで、平家物語にもぶち毛の名馬が登場するのだとか。



松かさが空間に奥行きを与え、たちこめた雲が縁取りのように画面を装飾しています。 


五客のうち四客、甘手となっています。焼くときの温度が低く、表面のガラス質に貫入(上のひびのようなもの)が入ってしまっているのですが……。土にひび、というわけではなくそこから水漏れするようなことはありません。陶器などではわざと入れることもあります。白磁の場合は完品より劣る、ということで13,000円と低めのお値段です。


お刺身や押し寿司をのせたり、午年の方のお祝いに……。飾っても素敵な六寸皿です。
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・紙刷印判 鳳凰・椿図蓋付き碗 900
(明治前期) 径約12cm・高さ約7.3cm
 ※完売しました

今回入荷されたばかりの蓋付き碗を3点ご紹介致します。
まずはこちらから。 
       
藍の発色が何とも鮮やかです。
  
蓋を開けると


 お茶づけが食べたくなるような雰囲気です。
 蓋にはお新香をのせて頂いても



 内側には細かい縁取りが手描きで描き込まれています。
 まるでレースのよう。
 手描きの筆跡からは職人さんの呼吸を感じます。

 

じっくり、ご覧下さいませ。
瓔珞(ようらく)文と申します。瓔珞文(ようらくもん)とは古代インドの貴族や上流階級の人などが装飾していたもので貴金属などを編んで頭や胸にかけたものが多く、その昔より仏教美術にしばしば登場します。


 側面にはまるでモザイクのような模様がびっしり配置されています。
 その中にさりげなく鳳凰が潜んでいます。


 高台にまでしっかりと筆を入れています。
 そして白く抜かれた窓の中には葉の形から椿でしょうか。
 可愛らしいアクセントを添えております。


 全体的に余すところなくしっかり模様を入れ込まれており、好印象です。
 普段使いにも、お祝いの席にも、お気軽にお使い頂きたいです。


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・染付 流水に菊図蓋付き碗 900円 
(江戸幕末) 径約11cm・高さ約8cm
 ※完売しました

鮮やかな紙刷印判の色合いとはうってかわって、趣きある染付のお碗をご紹介します。


やわらかな土の色も素敵です。


波濤をともなった勢いのある流水に、二輪、菊の花が浮かびます。


見込みはシンプルに文様がひとつ。水面に菊の葉が浮いているイメージでしょうか?


濃淡を効かせた菊の模様。丸っこい葉っぱが可愛いですね。


蓋だと模様の全貌がわかりやすいです。


クジラのお腹のような流水。菊の葉も流れて行きます。


白いご飯を一粒一粒きらめかせてくれそうな白磁の肌。ひっくり返した蓋も安定が良いので、小皿にしてお新香をのせても映えそうです。

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・九谷焼 色絵 秋草図蓋付き碗 1,800円
(明治後期~大正) 径約10.5cm・高さ約6cm
※完売しました

最後は「錦秋」の言葉があいそうな色絵のものを。
華やかな色彩と細かな描写が人気の九谷焼です。

金の菊と白の菊を中心に、あでやかに絵柄が展開しています。
橙色と金を基調にした色合いも素敵です。


内側は真っ白。秋の食材の色を引き立ててくれそう。


橙色をのせたあとに、金彩を加えています。すれもなく、良い状態です。



本体の高台には「九谷 間出製」と銘が入っています。


見事な絵付けを堪能して頂ければ……。
白い萩が清楚ですね。


菊の横に錦の帯のようなラインが入ります。


こちらは裏側。表と逆で、金よりも白の菊をたたせています。
画面中央に横から見た小さな菊が金と白、一輪ずつ描かれているのが見えますでしょうか? 
葉脈に細く金彩を施しているのも良いですね。


こちらが蓋部分。錦の帯(?)の金の部分が本体よりおおらかな絵柄になっています。
本体同様、細かになっているものもあるのですが……面白いです。


金と白の菊に白の萩。こちらにも小さな横菊がいます。


秋色のまぜご飯や炊き合わせなどに……。もちろん、菊の花びらを上にのせたいところです。花びらに見立てて、ゆずの皮でも香りが楽しめそうです。
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 以上、お品物のご紹介でした。
蓋付きのお碗を三つお出ししましたが、三者三様、活かせるお料理も全く違いそうです。どの器がお好みだったでしょうか?

週末はお天気が崩れるようで残念ですが、雨の日は昔からのものがより綺麗に見えます。お店でじっくり、器たちを楽しんで頂けたらと思っております。

次回の更新は、25日火曜日を予定しております。次は何が出てくるか……。どうぞお楽しみに~

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